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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

というのがあるけれども。この年のうちには二十六日に参ります、それが終りです。そのときは又お正月の鉢植えやいろいろさし上げます。一月二十三日は何曜日かしら。火曜日ね。お目にかかりたいようね。それでも、やっぱり行かないのはいやな気持ですから、又来年になってそちらの休みが終ったら出かけて見ましょう。大森の夫人は、全く急に行ってしまったのです、そしたら手紙が来て、弟さんの細君が医者から炊事や洗濯を禁じられているので、そっちの方へまわされて事務所のつとめではないので、と悲かんしています、これは私は可哀想に思えました。急にそういう病人になったのではないのでしょうからね。弟さんが東京へ来たときからそうなのでしょうからね。女の使かわれようとはこういうところがあるのね。寿江子が国男から、妹一人いれば普通なら女中一人いないですむのにと云われてふんがいしている、そこには又別のものがありますけれど、でもやっぱり女にはこういう気の毒なところが伴うのですね。会う人が一人もないというのはいけないから用事だけ、たまに私が会いましょうか、ときいてやったら、大いによろこんで来てそのようにたのむとのことですから、一ヵ月に一度ぐらいは会いましょう。