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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
そして、野原のタタキのところ、ね、あすこを店にするのですって。何だか私まではりきりました。たか子うれしそう。それに一週二三回というのは出るのが一日おき位で、これも疲れすぎず、いいでしょう。あのひとも腕に毛をはやしているから、余り神経をつかうようなのはよくないでしょう。三月まで退屈しないかと云ったら、退屈しようもないとのことです。この間うち、ゴタゴタした上ですし、それもいいかもしれません。夏までにかえろうとせいた心持でいるのでなければ、それもいいと思います。若い女の子がワサワサいるところだと、ひとに負けまいと思って気を張るから、いやなのだって。負けん気なのねえ。ここの家の雰囲気にもなれ、東京というところにも馴れ、何となし口をきくのも楽になって、それからがいいのでしょう。
それからね、こんなこと考えたのですが。今たかちゃん、フヂエがあんなことで一日 1.30 とっているのを見ているのですから、フヂエがいなくなったら月にまとめて30やって、その中で自分のこと(ちょいちょいした買物など)やって、あまれば貯金するという風なの、いかがでしょう。なかなか独立的なのがすきだから、そうしてやらないと、小づかい下さいと云いにくいでしょうし、ね。