轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

九月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(史蹟開成館の写真絵はがき)〕

私が子供時分は、ここを村の人たちは「三階」と呼んでいて、村役場がありました。村役場につかったのこりの裏側の部屋部屋を人にかしていて、久米正雄母子はその松林に向ったところに暮していました。寿江子からの手紙によると、郡山の東に何里もある飛行場が出来かかっているそうです。トラックと軍靴の音が北へ北へと響くそうです。ずいぶんかわって来たとおどろかれます。 九月十日

九月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(開成山の中條阿部両氏の記念碑と銅像の写真絵はがき)〕

九月十日

こんなものも私はまだ見たことがありません。郡山市読本というものにおじいさんのことがあって、私たちの知らない旧藩時代の勉学の閲歴などかいてありました。野上さんの息子がローマ大学の助教授なので、休戦したについて父さんの談話が出ていました。あっちに立派な能面や衣裳が行ったままになっていたのね。細川や蜂須賀所蔵の。緑郎夫婦の暮しも追々大きく変化することでしょうと察しられます。

九月十日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕