轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

その点ケプラー伝の作者ザイレの方が歴史の背景を描き出しています。

ディケンズをイギリスのヴィクトリア時代の枠にはまって伝統精神と不思議に一致した天才としてつかんでいる点も正しく鋭いと思います。この作者についてツワイクはよく歴史を見ているのだけれど。フランスのナポレオン時代後の腐敗の中からバルザックとスタンダールの出ていることは何か暗示にとんでいはしないでしょうか。

つくづく思うことはね、バルザックの偉大さはなかなか単純な若い生活経験では理解出来ず、且つ日本の今日までの文学者は自分の生活感情の内面に共感出来るだけ巨大な波瀾万丈的経験をもっていなかったと思います。今日以後の、勉強をよくして世界の事情に通じ、人間学に通じた作家なら、日本人もはじめてバルザックをかみこなす土台をもつようになるでしょう。そして、偉大さが分るということは好きとは別であり、更に未来の偉大な作家は決して再びバルザックの厖大な自己偽瞞、熱に浮かされた幻想の固定化は行わず、彼のあの薄気味わるいリアリズムとロマンティシズムの双生児(タイプを凝結させようとする――純粋な情熱(何でもそれはよい)への熱中)は生まないことを、銘記させる作家だと思います。