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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
「そうですか。あなたがそこまで打ちあけて下さる上は、アタクシも何を隠しましょう。御明察の通り、阿片などは富士山から箱根山をみんなヒックリかえしても、一グラムも出てきません」
「アラ、そんなこと、なんでもないわ。天草商事なんて悪徳会社はウンとだましてお金をまきあげてやるがいゝわ。とても悪漢よ、この会社は。私がお手伝いして二千万円まきあげてやるわ」
どっちが悪漢だか分らない。ひどいことになるもので、恋人のなすことは万事に超えて崇高無比に見えるのだから始末がわるい。
サルトルは感謝感激、夢心持、ここで二人の心は寄りそったが、ちょうど夜が白々とあけたから、ツル子は別荘番のオバサンの部屋へ寝床をしいてもらって、ねむる。サルトルも改めて一とねむり。
目をさまして、ツル子は出社し、重役三羽烏に報告する。
「フウン、そうかい。じゃア、やっぱり、本当の話かな。だけど、どうして本当らしいと分ったの。サルトルの奴、ツルちゃんに惚れちゃったんだね。手を握ったの?」
半平は内心おだやかでないから、根ぼり葉ぼりききたゞす。
「アラ、そんなこと、なさらないわ」
「じゃア、どうしたのさ。