轻松读懂日语经典作品
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こはくのパイプ
琥珀のパイプ
甲賀 三郎
「新青年」1924(大正13)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,109 字 · 37 页
菓子折は当日午後二時頃渋谷道玄坂の青木堂と云う菓子屋で求めたもので、買った人間の風采は岩見に酷似していた。然し最中は手をつけて居ないで、子供は塩酸加里の中毒で倒れているのであった。
やがて検事は元の席に戻って再び訊問を始めた。
「青木さんあなたが、夜警の交替時間に間もないのに、家に帰られた理由が承りたい」
「いやそれは」青木は答えた。「別に何でもない事でとりたてゝ云う程の理由はないのです」
「いや、その理由を申されないと、あなたにとって不利になりますぞ」
大佐は黙って答えない。私は心配でならなかった。
「先刻の御話では」福島が云った。「青木さんは火事の時刻に私の宅に御出になったのですか?」
「そんな事は貴下が聞かんでもよろしい」検事が代って答えた。この時、松本が隣室から何か大部の書物を抱えて出て来た。
「やあ、福島さん、あなたは以前薬学をおやりになったそうで、結構な本をお持ちですな、私も以前少しその道をやりましたが、山下さんの薬局法註解は好い本ですな。私はもう殆ど忘れていましたが、この本をみて思い出しましたよ。それも塩剥の中毒と云うのは珍らしいと思いまして」