轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

「雄弁」1928(昭和3)年9月~1929(昭和4)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 页

青空文庫

まるでお説教でもしているようだ)

茅野雄は笑止に思いはしたが、

「ほほうさようか、この細い道か。この道を真直ぐに辿って行けば、高山のお城下へ出られるのだな」

しかし老樵夫は同じような事を、慇懃に繰り返すばかりであった。

「それ、この一番狭い道が、あなた様の道でございますよ」

「そうか」と、茅野雄は会釈をした。

「お前に訊ねてよいことをした。お前へ道を訊かなかろうものなら、すんでに別の道へ行くところだった。ではこの道から参ることにしよう」

で、茅野雄は歩き出したが、すぐに丈延びた雑草に蔽われ、その姿が見えなくなった。と、老樵夫は茅野雄の行った後を、意味ありそうに見送ったが、

「武道も学問もおありなさる、立派なお武家に相違なさそうだ。……郷民たちは喜ぶだろう。……きっと歓迎するだろう。……が、云ってみれば人身御供さ。お武家様にはご迷惑かもしれない。……とはいえ俺達にとって見ればなあ」

こう呟きの声を洩らした。

夏の日が熱く照っていて、ムッとするような草いきれがした。と、一匹の青大将が、草むらから姿を現わしたが、老樵夫を見ても逃げようとはせず、道を横切って姿を消した。