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いなかふうなヒューモレスク
田舎風なヒューモレスク
宮本 百合子
「写真報知」1925(大正14)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,790 字 · 16 页
村の者も、それを当然としてうらやんでいた。ところが、ものは順当に行き難いもので、養子が兵役にとられることに成った。勇吉やおしまは、少からず落胆せずにはいられなかった。勇吉達は生来の働きてだから、もち論身体の弱い野良仕事にも出られないような若者を家に入れるはずはない。充分野良のかせぎは出来て、厄介な、一年二年兵隊にとられることだけは免れそうな若者という念の入った婿選びをした――簡単にいえば、清二という若者は、左右の足の大きさが、普通の人の違いより幾らかひどく違っていた。勇吉は、兵隊靴はただ一つの型で作られるから、きっと、貴様のような面倒な足を持った奴は駄目だとはねられるに違いない、と、農夫らしく思い込んでいたと見える。清二は遠方の連隊に入営した。働きてが一人減った。――しかしまあよい。同時に食う口も一つ減ったのだから。が、余りよくないことが、案外なところに潜んでいたのを、先ずおしまが発見し始めました。学問こそないが、おしまも女である以上、妙に鋭い、思い込んで目をつけたらとても眼を逸しっこのない探求心というようなものを持っている。勇吉が清二が留守になってから、どうも始めて清二の嫁はまだ十八の若い、はにかみやの可愛い女であったことをしみじみ見出したらしい様子がおしまに分った。