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とざんだんぎ

登山談義

木暮 理太郎

「山」1935(昭和10)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,219 字 · 16 页

青空文庫

戸台から甲斐駒に登った時一番ひどい目に遭いました。よく遭難しなかったものだと今でも其時の事を思い出します。野宿は大抵頂上と極めて翌早朝に於ける山上の大観を恣にすることにしていましたが、これは又一方に於て陰鬱な森林の中に寝るよりは、開豁な頂上で寝る方が寒くとも安心して居られた為もあります。食料としては大きな焼き握飯を場合に依っては三日分も背負い歩いたことがありますが、この厄介さ加減は知らぬ人には想像の外であろうと思います。

長々と雑駁なお談義を続けましたが、私という者を媒介に其当時に於ける登山の有様の幾分でも知って頂いて、何かの折の御参考ともならば望外の幸であります。

(昭和一〇、一一『山』)