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しろいくも
白い雲
小川 未明
「お話の木」1937(昭和12)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,755 字 · 16 页
」と、そのトロッコは、通り過ぎるときに、わめいてゆきました。
二人の労働者が、空のトロッコに乗っていました。元気のいい若者でした。後からも、後からも、いくつかのトロッコはつづいてゆきましたが、中には、こちらを見て、親しげに笑っていく男もありました。
「さっきの奴、生意気だね。」といったのは、武ちゃんです。
「もし、あいつが飛んできたら、僕たち逃げようか。」
「逃げなくたっていいさ。」
「そうしたら、おもしろいな。なんで僕たち、捕まるもんか。」
「石を投げてやろうや。」
「かっちゃんや、よし子さんは、早くあっちへいっておいでよ。」と、義ちゃんが、いいました。
「私、つかまったら、あやまるわ。」と、よし子さんが、いいました。
「いやよ。だって、私たちなにもしないんでしょう、見ているだけですもの。」と、かつ子さんが、いいました。
「それだから、女なんか、こなければいいんだ。」と、武ちゃんが、怒りました。
「もう、いいよ。」
「それよりか、早く、いいのを見つけようや。」
敏ちゃんは、真っ赤な顔をして、石を石に打ちつけていました。
しばらく、みんなが、石を割るのに夢中だったのです。