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しろいくも

白い雲

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,755 字 · 16 页

青空文庫

四

とうとう我慢がしきれなくなったというふうで、

「小山と武田は、ここへ出ろ!」と、先生は、どなられたのです。

教室のうちがしんとしました。二人が、ぐずぐずしていると、先生は、まず小山の席へいらして、

「いま、やっていたものをお見せ。」と、お座から、引きずり出されました。

武田は、先生の権幕に抗しがたいと知ると、自分から席を出て、先生のいられる教壇の前へきて立ちました。先生は、

「武田、おまえは、さっきの唄をうたって、小山は、ここでみんなに人形を踊らしてごらん。」と、おっしゃいました。

小山は、さすがに耳の根まで赤くして、うつ向いていましたが、武田はしかられても、頭をかきながら笑っていました。

このとき、敏ちゃんは、一人だけ、窓の外で、つばめが自由に、青い空を飛びまわっているのを、じっと見守って考えていたのであります。

「このつぎから、教室へこんなものを持って入ったら許さないぞ。」と、時間が終わったときに、先生は、小山におっしゃいました。そして、それまでそこに立たされていた二人は、はじめて許されたのでした。

四

敏ちゃんの大きな磁石は、ラジオ屋のおじさんから、電気をかけてもらって、ばかに力が強くなりました。