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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
貴様とても許さぬぞ」
「何を……何をッ」
と紅木大臣は血走った眼で王を睨み付けて叫びました――
「それならば貴様も悪魔だ。本当の藍丸王ならば、そんな汚らわしいものをお持ちになる筈はない。そんな無慈悲な事をなさる筈はない。貴様も悪魔が化けたのであろう。女王も悪魔。貴様も悪魔。悪魔。悪魔。大悪魔だ。エエ知らなんだ。気付かなんだ。そうと知ったら早く退治ておく者を。最早容赦はならぬ。この紅木大臣が忠義の刃を受けて見よ」
と云うより早く王を眼がけて飛びかかろうとしましたが、この時王が右手を挙げるのを見るや否や、一時にドッと籠み入った多くの兵士は、一方は王の周囲を取り囲んで仕舞い、一方は紅木大臣を取り巻いて身体中隙間もなく鎗を突き付けて、動かれぬようにしてしまいました。そうしてその間にその他の者は気絶した女王と青眼先生を抱え上げて、急いでどこかの室へ運んで行きました。
槍の穂先に取り囲まれた紅木大臣は、身動きも出来ぬようになりまして、棒のように突立ちながら歯切りをして、兵士の顔を睨みまわしていましたが、やがてその持っていた剣をカラリと床の上に取り落すと、そのまま高い暗い天井を仰いで、髪毛を一筋毎にビリビリと震わしながら――