轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

「中央公論」1931(昭和6)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,341 字 · 148 页

青空文庫

ことでござりますが、あんのごとくそのときになっておあつかいがござりました。お使者にたゝれましたのはなんと申されるおかたでしたか、お名まえまではわすれましたけれども、お武家ではなくてさる上人がおこしなされたとおぼえております。それでそのおかたの御口上には、ちくぜんのかみこと、昨年以来よぎないしあわせで柴田どのとかっせんにおよび、さいわい武運にめぐまれてこゝまでおしよせてまいりましたが、むかしをおもえば総見院さまにおつかえ申した朋輩のあいだがらゆえ、御一命までを申しうけようとは存じませぬ。しゅりのすけどのにおかせられても、しょうはいは弓矢とる身の常、なにごともまわりあわせとおぼしめされてきょうまでのいしゅを水にながされ、このしろをあけわたして高野山のふもとへたちのいてくださらぬか。そうすれば三万石のりょうぶんをさしあげて一生御扶持申しましょうと仰っしゃるのでござりました。なれどもこれはひでよし公の御ほんしんでござりましたかどうか。ちくぜんどのはお市御料をいけどりにしたくてそろ/\おくの手を出しおったと、味方はもとより敵の陣中でさえそんなひょうばんが立ったくらいでござりまして、此のおあつかいをまじめにきく