轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

「中央公論」1931(昭和6)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,341 字 · 148 页

青空文庫

かた/″\とがほのおの中に入りみだれ、たがいにあらそってせまいはしごを五重へのぼろうとなさるらしく、そのこんざつにもまれましてあちらへこづかれこちらへこづかれいたしますうちに、熱いかぜがさあっとよえんを吹きかけてはまたさあっと吹きかけてまいり、しだいにいきが出来ないようになりましたので、おなじ死ぬならおくがたと一つほのおに焼かれたいと、しょうねつじごくのくるしみの底にもひっしにおもいきわめまして、はしごへ手をかけたときでござりました。「弥市、このお方を下へおつれ申せ」と、どなたかはぞんじませぬけれども、そう仰っしゃっていきなりわたくしの肩の上へ上臈さまをおのせになりました。「おひいさま、おひいさま、おふくろさまはどうあそばしました」と、とっさにわたくしはそう申しましたが、それというのはそのとき背中へおんぶいたしましたのはお茶々どのだということがすぐにわかったからでござります。「おひいさま、おひいさま」と、つゞけてお呼び申しましても、お茶々どのはうずまくけぶりに気をうしなっていらっしゃいまして、なんとも御へんじがござりませなんだが、それにしてもいまのお侍は、なぜ御自分がひめぎみをおたすけ申さずに、めくらのわたくしへおあずけなされました