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まひるのおばけ

真昼のお化け

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页

青空文庫

」と、お母さんが、おっしゃいました。光一は、おやつも食べないで、外へ飛び出したのであります。

「勇ちゃんが見たら、びっくりするだろうな。」と、歩きながら、ときどき、えびを紙から出してながめていました。

指先でつまんで、これが、水の中にいる時分の姿を想像して、空中を泳がしてみました。

お宮の前までくると、ワン、ワンとけたたましい犬のほえ声がしました。

境内をのぞくと、昨日、かぶとむしをさがした、かしわの木の下で、ペスが、しきりに地面を掘るように、つめで、かいて、騒いでいるのでした。

「ペスや、なにしているんだい?」

光一は、さっそく、犬のそばへいってみました。へびでも見つけたのかと思ったのが、そうでなく小さな穴に向かってほえているのでした。

「なあんだ。」といっていると、黒いものが穴の中から頭を出したようです。

「おや、なにか見えたぞ。」

光一は、棒切れをきがして、穴をつついてみました。奥の方に、小さなしかの角の形をしたものが、ちょっと見えています。

「やあ、かぶとの子だ。こんなところに、かぶとむしの穴があるとは思わなかったなあ。ペス、おまえはおりこうだね。