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まひるのおばけ
真昼のお化け
小川 未明
「お話の木」1937(昭和12)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页
中
「どうするの?」と、光一は、ききました。
「このガラスのびんをうまく切るのさ。そうすれば、いい入れ物ができるだろう……。」と、勇吉は、大きなびんをながめて、その中へ水草を入れ、赤べんたんや、えびを泳がせるおもしろみを、いまから目を細くして、空想せずにいられませんでした。
「うまく、二つに切れる?」と、光一が、疑っている間に、勇吉は、ひもをアルコールに浸して、びんの胴へ巻きました。そして、マッチをすって、それへ火をつけると、見えるか見えぬ幽かな青白い炎が、ひもの上から燃えはじめました。いいかげんの時分に、急にバケツの水へびんをつけると、ピン! と音がして、ひもを巻いたところから、びんは、真っ二つにきれいに分かれたのです。
「おお。」といって、光一は、もちろん、それをやった勇吉までが、思わず感歎して、声を放ったのであります。光一は自分を忘れて、持っているさおを地面へ倒したのでありました。
中
「きょう、勇ちゃんはびんどを持って川へえびを取りにいくといったが、僕もいっしょにゆこうかな。けれど、だいぶ空が暗くなって、雨が降りそうだ。」
光一は、学校の帰りに考えながら、原っぱを歩いてきました。