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めがね

眼鏡

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,487 字 · 16 页

青空文庫

「そんなものを、教室へ持って入っては、いけないな。」と、おっしゃいました。六年生は、それ見ろといわぬばかりの顔つきをしました。

「先生、僕たちの拾ったすずめを、だまって持っていこうとするから、いけないのです。」と、青木が、六年生の行為を非難しました。

先生はこうなると六年生をいいとはいえませんでした。しばらく、先生は黙っていられると、六年の山本が、

「吉村先生にあげて、理科の時間に、解剖していただこうと思ったのです。」と、答えました。

「解剖!」と、若い図画の先生の目は光って、山本の顔を見られました。

「そうです。僕たち、このごろ、いろいろのものを解剖して、習っているのです。吉村先生は、へびでも、小鳥でも、捕らえたら持ってこいとおっしゃったのです。」と、すずめを持っている小西が、いいました。

正吉は、このとき、いい知れぬ腹立たしさがこみ上げてきました。

「僕たち屋根からおっこちたすずめを助けてやろうと思っているのに殺すなんて、そんなことできません。解剖したかったら、自分で取ってくればいいのです。」

正吉は、こういいました。しず子さんが、美しい貝をあげた先生は、この先生だと思うと自分のいったことをわかってくださるにちがいないと思いました。