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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

思想問題にうなされている或る種の人物には、何でもかでもが思想問題になって見える。単なる墳墓発掘が思想問題ならば、死体の解剖をすることだって思想問題になるだろう。尤もこの頃では、死体の解剖をしないことの方が実は思想問題なのであるが。

今年の国展は仲々いい展覧会だった。

今迄のゴミゴミした絵や、情実関係としか見えない拙い小品が、すっかりなくなったのは、今年の審査の出来栄えだった。展覧会も甘くして入選者の御機嫌ばかりとっていないで厳選にして呉れた方が観る方は助かる。

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しかし西洋人のクレヨン画みたいなものが沢山並んでいたのは、どう云うことか、素人には解らない。あれは子供の自由画みたいなものだが、展覧会にあんなに沢山ならべるもんですかねエ。

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梅原龍三郎氏の小品三点は、小さい乍ら立派なものであったのは、流石名匠の腕であるが、自分が大将である展覧会だから、もう少し大きいものを沢山みせて貰いたかった。見物はそれを楽しみに行くんですからね。

川島理一郎氏の台湾土産も粋な画だ。

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工芸室は国展の名物で、いつも楽しみにして出掛けるが、良くて安いものは、招待日の朝出掛けて行って、既に赤札とはどう云うわけだ。