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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

国体の変革は私有財産の否認よりも重大だったからである。これによって吾々は、国体が私有財産制とは無関係であるということを、即ち又、国体の変革を須いずして私有財産の一種の否認も存在し得なくはないということを、教えられたわけである。これは全く驚くべき「日本民族の天才的資質」に相応わしい予言だったのである。なぜなら後に、×××××××××××は恰も、国体を顕揚するために財産私有者の巨頭達を××××を考え付いたからだ。

今度の改正案は、第一次の改正案のこの調子をもっと徹底したものに外ならない。例の二つの文章は、今度は独立した二つの別個の条文に分けられるのだそうである。この法律の精神が、この二つのものを如何に分離するかという処に力点を置いているということは、大体この第一次、第二次の改正の方向から、見当がつくだろう。

でこの法律は例の二つの条項の間に、飴のような延展力を与えることに苦心している。飴というものは引っ張れば引っぱる程、延展性を増すものだ。で、まず犯人は不定期刑を課せられる。この不定期刑にくぎりを付けるものは、「改悛の状」なのである。改悛の状を示したものは、起訴留保にもなろうし、隨時仮釈放も許可される。