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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
時に「非常時」党の諸君! 一つ××救援会でも組織して見たらばどうか?
この問題が解決しないと、五・一五の裁判も何か奥歯に物が挟ったようで、まだまだホットするのに早過ぎる。
三、監置主義と治療主義
東京府立松沢病院は日本に於ける最も代表的な精神病院である。処がここで、昨年看護人が患者を殴り殺したという事件が起きて世人を憤慨させたのは有名であるが、今度は一狂人が他の狂人を殴り殺したという事件が起きた。次は多分、狂人が看護人を殴り殺す番だろう。
病院側の不埒な点を挙げると、狂暴性の患者を二名同室せしめたこと、致命的な傷を受けるまで放置しておいたこと、更に事件以後三日目に死亡するまで患者の家庭はいうまでもなく院内の駐在所へさえ知らせなかったこと、等々のようである。
これで見ると一体精神病院というものは病院なのか懲治監なのか判らなくなるだろう。何しろ相手が狂人だから何をしたって解らないし、各家庭の者が検べに行っても適当に会わせたり会わせなかったりすれば好いわけで、その上私立病院などならば食費その他だけでも相当患者を絞れる可能性さえあるだろう。事件は一松沢病院だけの問題でもなく、又殺人患者池田某だけの問題でもない。