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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

精神病者の社会的取り扱いの上の根本問題でなければならない。

この問題に関係があるのか無いのかハッキリしないが、それから時日がしばらく経って、内務省は精神病院主・院長・会議に於て、精神病院法並びに精神病者看護法改正に関する希望を諮問している。というのは従来の監置主義を治療主義に改める必要を感じたからだそうである。

なる程この改正方針から見ると、従来の精神病院は治療所であるよりも寧ろ監置場であるのを面目としていたらしいから、一種の×××か×××のようなもので元来病院ではなかったわけだから、患者の一人や二人××××れるということも大して異とするに足りないわけだ。今度から監置主義の代りに治療主義になったとしたら、従来の精神「病院」という名前の代りに、何という名を付けたら好いかが恐らく大問題になるだろう。

精神病院は監置主義を捨てて治療主義になるそうだ。処が癩病院も亦、この頃監置主義・隔離主義を捨てる方針らしい。大阪にある外島保養院(之は二府十県の連合経営のものだから之亦最も代表的な癩病院だ)で、院長と患者とそれに関係の警部某とが共謀して、二十名程の患者を院外へ追放した、という奇怪な事件が発生した。