轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
13 黒白帖
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,638 字 · 233 页
親しいほどでなくても足利家という大きな屋根の下で一つ釜の飯を食ってきた奴らばかりだ。どうしてそいつらと戦わねばならぬのか。意味はない。畜生の喧嘩だ。おれにはそんな弓は持てぬ」
と、単独で西へ帰ってしまったのである。そんな武士も居たには居たのであり、しぜん講和の兆もあったのだった。
しかし、概しては両軍共に「諸将、コレヲ欲セズ」だった。で、細川顕氏や畠山国清らの奔走で、せっかく直義が敦賀から近江の新照寺大御堂まで出て来て、親しく尊氏と和談をとげるまでの運びになっても、それはまた冷たい物別れを見てしまった。――直義のそばに付いて離れぬ桃井直常や強硬なるほかの猛者どもが、和議をよろこばず、事ごとに話をくつがえしてしまったものである。
顕氏と国清とは、それに怒ッて、以後は尊氏方へ、はっきり寝返ってしまった。元々、同身の分裂である、つねに離合の定まりもない。
ことし七十七の夢窓国師が、この九月三十日入寂した。
尊氏はそれも近江の陣で知った。半生の導師、直義にとっても貴重な師。
ひとつの緩衝地帯であった師直が亡くなってからの尊氏と直義の間は、何事もすぐ直接な火花や事の激突となりやすかった。