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かがくろん

科学論

戸坂 潤

「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页

青空文庫

この二つの原則が、従来の物理学を根本的に変革した程(相対的原則はガリレイ・ニュートン以来の古典力学を、そして不確定性原則は更にアインシュタインまでを含めた古典物理学を、革命的に変革した)、近代自然科学に於て指導的な方法の役割を有っているのだが、それにも拘らず之は全く、実験的経験とそれの整頓としての理論との経験的所産に他ならなかったのである。

マルクス主義的史的唯物論の原則(生産力と生産関係との弁証法)も亦、云うまでもなく経験的な原則であり、社会に於ける大衆乃至無産者が最も切実に受け取る経験的認識からの結論に他ならない。――処でこの原則に対する懐疑や或いは寧ろ決定的な攻撃や否定が、矢張り又何等か之に対立した科学的原則として現われるかと思うと、そうではなしに、夫はガリレイを前にした法皇の権威を以てしか現われないのが常だ。之は注目すべき興味のある事実である。――蓋しブルジョア社会科学の殆んど凡てのものは、甚だしいのになると何等の法則乃至公式を発見することが出来ず、或いは法則を原則にまで高めることが出来ない。だからその方法たるものも、原則とは何等関係のないもので、仮設の資格をさえ持つ理由を失った「主観的」