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かがくろん
科学論
戸坂 潤
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页
ここでは政権と自然科学とは別なものではないようにさえ見える。
* 岩崎による理化学研究所、塩見による塩見研究所などが、その少数の例に過ぎない。そして之とても、少なくとも前者は、欧州大戦当時に於ける軍国産業奨励をその設立の動機にしていることは注目すべきだ。
次に、社会の観念層=イデオロギーと自然科学との関係となる。自然科学はそれ自身一つのイデオロギーであるから、社会に於けるイデオロギーの他の分野と極めて密接な関係を有つことは改めて説明する迄もない。社会に於ける一般文化・思想・の動向は直ちに何等かの形でここに反映する。ルネサンス期に於ける文芸復興とヒューマニズムは、自然の自由な囚われない探究となって、自然科学の精神を形成したことは今更云うまでもない。マルクス主義は唯物弁証法として、今日の自然科学研究に対して新しい動向を与えつつある*。哲学上のマッハ主義は今日でも多くの「ブルジョア自然科学者」の科学精神を支配している。この種の諸思想がどういう機構を通じて自然科学を制約しているかに就いては次に述べるが、少なくともこうした制約のあるという現象は、今之を見遁すことが出来ない。