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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん
空中漂流一週間
海野 十三
「名作」1939(昭和14)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,324 字 · 35 页
ふりしぼるような叫びごえが、今の今まで死んだようになっていた、「火の玉」少尉の咽喉の奥からとびだした。と、彼の身体が水の中にもぐるような恰好で、すとんと沈んだ。
「わわっ、――」
奇妙な悲鳴とともに、少尉の背後に組みついて勝ち誇っていた怪ソ連人の身体が、南京花火のように一転して、どさりと前方へ飛んでいった。
このとき「火の玉」少尉がもし手を放したとすると、怪ソ連人の身体は、ゴンドラの縁の上をとび越えて、あっという間に、なんの掴まりどころもない空間に放りだされていたことであろう。少尉はそれを心得ていたと見え、相手の袖を手許へぐっと引張りつけたので、相手はゴンドラの角で、いやというほど尻の骨をうったまま、身体を逆さにしてずるずると籠の中にくずれ落ち、そのまま動かなくなった。なにゆえに敵を助けるのか、「火の玉」少尉の心中は測りかねた。
「どうだ、もう一度来るか」
少尉は、足を伸ばして怪人の頭を蹴とばした。だがかの怪人は、気絶でもしているのかなんの反抗も示さなかった。
その間にと思って、「火の玉」少尉は再びマイクをとりあげ、急ぎの報告を電波に托すつもりで、