轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けっこん

結婚

中 勘助

「朝日評論 第一巻第一号」朝日新聞社、1946(昭和21)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,520 字 · 11 页

青空文庫

文枝さんの女学校一年以来の親友でお茶の水の専攻科を出てから三年東大の美術史を聴講した人、ある書道の大家の子飼いの愛弟子で二十年もそのほうの教師をしてるが初婚だという。書道は苦手だけれどひとが上手なのは都合がいい。本人、家庭の事情、その他よくわかってるし、兎も角一度逢ってみようということになった。併しこちらは落第しても平気だが先方は婦人のことだからというので一日文枝さんがそれとなく誘い出し口実を設けてつれてきた。間さんの奥様がおいでになりました という取次ぎに玄関へ出たら背の高い知らない人をつれている。この人だなと思って文枝さんがとり繕うように紹介するあいだにひとわたり見る。永年の教壇生活に疲れ往復の街の塵に汚れたという様子をして、粗末ななりをし、粗末なハンドバッグをさげている。後できけば ちょいと町へ買い物にゆかない? かなにかで郊外の家からつれ出されたらしい。黄疸を病んだあげく永らくお父様の病気の看護をした疲れが回復していなかったのだそうだ。私もまた久しい姉の看護とそれに続く不幸のために心身共に疲れはてている。双方化けそうに年をとったうえに見る影もなくなったところを見合ってまあ我慢しようということになったのだからまず大丈夫だろう。