轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はごろもものがたり

羽衣物語

小川 未明

「コクミン一年生」1946(昭和21)年2、3月、「コクミン二年生」1946(昭和21)年4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,149 字 · 12 页

青空文庫

木の間から、びょうびょうとして見える海の色、おだやかな波のうねり……。大海原は、まだよくねむりからさめきらぬもののようでした。

「おや。」といって、若者はとつぜん、歩みをとめました。なぜなら、いくぶんもやのうすれかかった前の方に、ふしぎなものが目にとまったからです。なんだか、まぶしいものが、一本の松の木の枝にかかっていました。いままで見たこともないようなものです。

「尾の長い鳥かしらん。それにしては、なんときれいな、大きな鳥だろう。」と、若者は、目をみはりました。

鳥がとまっているのなら、近づけば逃げるだろうと、ちゅうちょしつつ、若者は、じっとようすをうかがいましたが、さらに、飛び立つけはいがなかったのでした。そうして、風にひらひらとゆれるのを見ると、うすい着物のようにも思われました。

「とにかく、いって見とどけよう。」と、若者は用心しながら、一足、一足、それへ近づいたのです。

ひくくたれさがった松の枝にかかっているのは、はたして、かがやかしい、すきとおるような、女の着物でありました。はなれて見ると、まぶしい光をはなち、にじのかかったようでありました。