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じゆう
自由
小川 未明
「童話文学」1929(昭和4)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,616 字 · 6 页
そして、しばらくは、じっとしてとまり木にとまったまま身動きもせずに、なんとなく陰気にしていました。
このうえ、この鳥を、かごの中にいれておくのは、罪深いことだ。私は、そう思うと、入り口の戸を開いて、
「さあ、逃げていけよ。」といった。
鳥は、すべてを疑うように、あちらへいき、こちらへきたりして、すぐには、出ようとせずに、ためらっていました。
「雪が、その頂にかがやき、ふもとに、清い谷川の流れる、遠い山の方へ、はやく飛んでいけ!」と、私は、鳥かごから、いかるがを無理に追おうとしました。
彼は、かごの入り口へとまったが、ふいに、外へ逃げ出した。しかし、尾は短く切られ、羽は、すり切れていて、昔日のように、敏捷に飛ぶことはできなかった。庭の木立の枝に止まろうとして、地面へ落ちてしまいました。私は、鳥の足までが、きかないことを知りました。けれど、いま、あこがれていた自由が、目の前に得られるのだと知ると、あわれな鳥は、しきりに羽ばたきをしてあせった。そして、とうとう、空へ舞い上がって、庭の上を一まわりしたかとみると、あちらの高い木を目がけて、懸命に、傷ついた羽で空気を刻みながら飛んでいきました。