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ほどう

舗道

宮本 百合子

「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页

青空文庫

どっちかというと落付いた風采をしている××○○会社の事務員たちはよくよくのときでなければ、決してそういう丸ビル、海上ビルなどの女事務員たちの服装をふりかえって見たり、その場で話題にのぼせたりすることはしなかった。すれ違いながら云わず語らずのうちに、ああ云うひと達と自分たちとは違うという女らしい自惚れがみんなの心の内にあるのだった。××○○会社が女事務員の断髪を禁じたり、洋装をするといやな顔をすることには誰しも不満なのだが、それは内輪のことで、いざ他のもっと小規模のところで派手な装をしてひどい働きをさせられている女事務員たちとつき合わされると、反撥して不満を忘れ、自分たちは××○○の者だと澄してしまうのだ。

「モーリ」で十銭の支那ソバを食べようとも××○○会社へ勤めていると云うと、そのきこえで現に間借りをするとき、小母さんの信用ぶりが違った。そういうバカらしい雇われ人の見栄みたいなものにつられて、××○○会社の女事務員たちが、変にツンと自分たちだけでかたまろうとするのだ。そしてまたその方が会社にとっては便利で安全だ。――

みどりはフト話題をかえ、

「大井田さん、いつも勉強して来るわね」