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くさはらのゆめ
草原の夢
小川 未明
「教育研究」1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,095 字 · 9 页
私たちは、村はずれの野原で、日の暮れるのも知らずに遊んでいました。草の上をころげまわったり、相撲を取ったり、また鬼ごっこなどをして遊んでいると、時間は、はやくたってしまったのです。
毎日学校から帰ると、家にじっとしていられませんでした。机に向かっても、遠くあちらの草原の方から、自分を呼んでいる声がきこえるようです。そして、大急ぎで、復習をすますと、駆け出してゆきました。
ある日のこと、正ちゃんや、善ちゃんは、もう先に野原へいっていて、なにかしながら、わいわいいっていました。
「なにをして遊んでいるのだろう?」と、私は、そのそばへ駆けてゆきました。
二人は、おんばこの花茎を取ってきて、それをからみ合わせて、相撲を取らしていたのです。太い茎が、あたりまえなら、細い茎より強くて、切り放してしまうのですけれど、見ていると、善ちゃんの持った細いのが強くて、正ちゃんのつぎつぎに出す太い茎をぶつりぶつりと切ってしまいました。
「やあ、勝った! 勝った! どんな強いのでも持っておいで!」と、善ちゃんは、いばっていたのです。
「善ちゃんのは、強いなあ。だけど、こんど、僕、きっと負かしてみせるから。