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くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

余は心のうちに是非見て行こうと決心した。婆さんは、そのあとを語りつづける。

「那古井の嬢様にも二人の男が祟りました。一人は嬢様が京都へ修行に出て御出での頃御逢いなさったので、一人はここの城下で随一の物持ちで御座んす」

「はあ、御嬢さんはどっちへ靡いたかい」

「御自身は是非京都の方へと御望みなさったのを、そこには色々な理由もありましたろが、親ご様が無理にこちらへ取りきめて……」

「めでたく、淵川へ身を投げんでも済んだ訳だね」

「ところが――先方でも器量望みで御貰いなさったのだから、随分大事にはなさったかも知れませぬが、もともと強いられて御出なさったのだから、どうも折合がわるくて、御親類でもだいぶ御心配の様子で御座んした。ところへ今度の戦争で、旦那様の勤めて御出の銀行がつぶれました。それから嬢様はまた那古井の方へ御帰りになります。世間では嬢様の事を不人情だとか、薄情だとか色々申します。もとは極々内気の優しいかたが、この頃ではだいぶ気が荒くなって、何だか心配だと源兵衛が来るたびに申します。……」

これからさきを聞くと、せっかくの趣向が壊れる。ようやく仙人になりかけたところを、誰か来て羽衣を帰せ帰せと催促するような気がする。