轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きくにんぎょう
菊人形
宮本 百合子
「大衆クラブ」1948(昭和23)年第9号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,991 字 · 16 页
母が、子供たちをおゆきのところへ行かせたがらなかった母らしい潔癖と偏見の意味もわかった。もうその頃は、おゆきは、別のところに引越して、養子の世話になっていた。
更に何年かたったとき、何かの雑誌で「ねぶか」という落語をよんだ。落語をこのむ江戸庶民の感覚で、奥女中あがりを女房にした長屋の男の困却を諧謔の主題にしたものだった。奥女中だった女が、長屋ものの女房になってもまだ勿体ぶったお女中言葉をつかっている。そのみのない横柄ぶりが武士大名への諷刺として可笑しく笑わせるのだった。その「ねぶか」のなかに、長屋の男が新しく来る女房と、取り膳でお茶づけをたべるたのしさを空想して、俺がザラザラのガアサガアサとたべると、女房はさぞやさしくチンチロリンのサアラサアラとたべるだろうという描写があった。そこをよんで、わたしはすぐおゆきを思い出した。おゆきのお茶づけとあの箸を思い出した。
おゆきが団子坂の下に住んでいたのは明治四十年より前のことだった。おゆきの住居や習慣は、樋口一葉が「にごりえ」などでかいた雰囲気の中のものだった。そして、鏑木清方の插画の風情のものだった。そういうことがわかったのは、ゆきのおまはんの由来を理解したよりもあとのことだし、「ねぶか」