轻松读懂日语经典作品
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ふきもんどう
蕗問答
山本 周五郎
「冨士」大日本雄辯會講談社、1940(昭和15)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,898 字 · 14 页
三
「ほう嫁を娶りたいというのか、してその相手は何者だ」
「は、お上のお側におりまする者で」
「余の側におるとは」
「その、……浪江どのでございます」
義敦はもう少しで失笑するところだった。……しかしそんなけはいはすこしも見せず、
「そうか、浪江が欲しいか、さすがに新九郎は凡眼でないな、年寄役筆頭、老職の身分でおこぜを家の妻にとはよくぞ申した。よし、……余がなかだちをしてとらせる、ただちに国許へ伴れ帰るがよい」
「ああいや」
新九郎は驚いて「仰せ有難くは存じまするが、ただ今のところはお許しを願うだけで、いずれ国許へは改めて……」
「そうではない、縁組は急ぐに如かずと申す、寸善尺魔ということもあるからな、すぐこの場で仮盃をしたうえ国許へ伴れ帰るがよいぞ、余が申付ける」
三
まるで話が逆になってしまった。
諫言をするつもりで出掛けたのが、反対に嫁を貰って帰る結果になったのである。……むろん新九郎にしても、本当に「おこぜ」を娶るつもりはなかったし、義敦がそれを承知で、意地の悪い悪戯をしたのだということも見当がついている。それにしても、とにかく評判の「おこぜ」を一緒に伴れて帰ることになったのは相当な派手事に違いなかった。