轻松读懂日语经典作品
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ふきもんどう
蕗問答
山本 周五郎
「冨士」大日本雄辯會講談社、1940(昭和15)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,898 字 · 14 页
と申出た。
「籔から棒に暇をくれとはなんだ」
「我々はいざ鎌倉という場合、君の御馬前に討死する覚悟で扶持を頂いております、武士として百姓仕事をいたす訳には参りませぬ」
「分らんことを云う」
新九郎は事情を知らないから、
「百姓仕事とはなんのことを云うのだ」
「それを御存じではございませんか」
「知らん、いったいどうしたのだ」
「では御案内をいたしますから、御覧ください」
そう云って三名は開墾地へ案内した。
新九郎はそこで初めて浪江がなにをしているか発見した。……自分が藩のために新田開発を計っている、それと同じことを、浪江は家のためにやっているのだ、
「うん、そうか、気がつかなかった」
彼は微笑しながら頷いて、「灯台下暗しというやつだな、これが耕地になったら立派なものだ、今日まで気付かなかったのは迂濶だったよ」
そして三名の方へ振返った。
「よろしい、暇をくれと申すなら暇をやる。戦場のほかには遊んでいるのが当然だという武道は、当方にも無用だ、ただちにいずこへなり立退くがよい」
云い残してさっさと帰ってしまった。
三人は立退きはしなかった。……三人が立退かなかったばかりでなく、それからの皆は本気で開墾に精を出しはじめたのであった。