轻松读懂日语经典作品
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みかん
蜜柑
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社 、1941(昭和16)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,307 字 · 25 页
源四郎は直次に嫌われていた。
彼は中小姓で、少年の頃から頼宣の側近につかえていたが、主君のため、おいえのため、という一念に凝りかたまっているため、しばしば上役や同輩と争い、たびたび失敗をくりかえして来た。頼宣は彼の気質を知っているので、たいていのことは叱らなかった。
――しようのない一徹者だ。
そう云われるくらいで済んだ。けれども直次にはよくどなりつけられた。
――そのほうはまことの御奉公というものを知らぬ、そのような我儘なことでいちにんまえのお役にたつものではないぞ。
ほかの者にはそれほどでもないのに、源四郎にだけは事ごとに辛辣だった、嫌われているより憎まれているとさえ思えた。それでしぜんと源四郎も直次には反抗の態度をとるようになったが、相手が無双の人物だけに、じぶんひとりが疎まれていると考えることは云いようのないさびしさであった。
直次が老病の床についたのは今年、寛永十二年の春からで、夏五月にはいるとともに再起はおぼつかなくなった、じぶんでもそれを感じたとみえて、毎日病床へ人を呼んでは亡きあとの事を託した。
――きょうは誰それが呼ばれた。
――拙者にこういう遺言があった。