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とんぼがえり
蜻蛉返り
佐藤 垢石
「釣趣戯書」三省堂、1942(昭和17)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,408 字 · 7 页
長崎ではそれに長崎産の商標を貼って、全国へ売りだすのであるという。ちょうどこれは桐生や足利産の丸帯やお召を、一度京都へ運んで行って、これを西陣織として商標を貼るのと同じであろう。
近年、九州五島あたりは、鰡の通過が少なくなったために、こんな手段をやるらしいのだが、沼津製のからすみが、そんなに上等であるならば、沼津産は沼津産として売りだしたらば、よろしいではないか。
それは、ともかくとして伊豆半島からさらに西へ行った鰡群は、どこを目ざすのか。それが分からない。石廊岬の突端で、姿を没した鰡群は駿河湾の真ん中へ出てしまうのか、それとも伊豆七島の方の太平洋へ旅するのか、仲木や松崎の方へは姿を見せないという。
なんとなく、からすみで一杯やりたくなった。