轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

「戦旗」1929(昭和4)年5月、6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,890 字 · 125 页

青空文庫

空気がムレて、ドロドロに腐っていた。肌脱ぎになったり、鉢巻をしたり、大きく安坐をかいて、尻をすっかりまくり上げたり、大声で色々なことを怒鳴り合った。――時々なぐり合いの喧嘩が起った。

それが十二時過ぎまで続いた。

脚気で、何時も寝ていた函館の漁夫が、枕を少し高くして貰って、皆の騒ぐのを見ていた。同じ処から来ている友達の漁夫は、側の柱に寄りかかりながら、歯にはさまったするめを、マッチの軸で「シイ」「シイ」音をさせてせせっていた。

余程過ぎてからだった。――「糞壺」の階段を南京袋のように漁夫が転がって来た。着物と右手がすっかり血まみれになっていた。

「出刃、出刃! 出刃を取ってくれ!」土間を匐いながら、叫んでいる。「浅川の野郎、何処へ行きゃがった。居ねえんだ。殺してやるんだ」

監督のためになぐられたことのある漁夫だった。――その男はストーヴのデレッキを持って、眼の色をかえて、又出て行った。誰もそれをとめなかった。

「な!」函館の漁夫は友達を見上げた。「漁夫だって、何時も木の根ッこみたいな馬鹿でねえんだな。面白くなるど!」

次の朝になって、監督の窓硝子からテーブルの道具が、すっかり滅茶苦茶に壊されていたことが分った。