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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
いかに良き人を思いつめたアゲクにしろさ。痴話喧嘩の果に、ぼくのようなオジイサンを口説くのは、ひどすぎますよ。外国の小説や映画にはありそうだがね。女王だの公爵夫人というようなお方がさ。王様だの公爵と痴話喧嘩のあげくに、奴隷だの黒ン坊に身をまかせて腹イセをするというような話がね。それにしても、ぼくに白羽の矢をたてるというのが、頓狂すぎるというものだ。お嬢さんや。よく、おききよ。あなた方の年頃では、遊びというものを、みんな軽く、同列のものに考えているのだね。しかし、男女の遊びは、別のものですよ。とりかえしがつかないのだからな」
「私は、遊びではないの!」
記代子は叫ぶと、すぐ立上って、大股に歩き去ってしまった。
青木は別の店で焼酎をのんだ。そして宿へもどると、彼の部屋に記代子が待っていた。
七
青木はわざとドッカとアグラをかいて、うちとけてみせて、
「やれやれ。疲れるなア。遊びたい盛りのお嬢さんが退屈して姿を消すまでつきあってあげるのは。なんて、逞しい根気だろう。まさしく、面白ずくの一念だね」
「そう?」
「まアさ。あなたは昨日から怒りすぎるよ。もっと平静に話しあいましょう」