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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
ぼくが悪党であることも、まちがいはないね。ただ、泣くのは止した方がいいぜ。涙から結論をかりてくるのも良くない。もっと静かな方がいいぜ。他人のことを処理するように、自分のことだって処理できるものだよ」
八
青木はしばらく考えていたが、首を横にふって、
「いや、ダメだ。ぼくは、いつも、それでやられるんだ。君はいかにも、ぼくの心を言い当てたり、それに同感してみせるようなことを言うね。それは易者が妄者の迷いを言い当てるのに良く似ているね。迷いの最大公約数みたいなものを、言いきるわけさ。そして輪をちゞめていくんだ。もっとも、易者との相似は君だけじゃアないがね。日本のインテリ一般の会話のコツかも知れないな。まるで謎々の遊戯みたいなものさね。ねえ。長さんや。易者ごッこはよしましょうや。なア。あなた。ハッキリ、答えてくれたまえよ。ぼくは記代子さんと結婚するぜ。それで、いいのかね」
「ぼくの返答をかりて、やる必要はなかろうさ」
「そうかい。わかった」
「まア、のみたまえ」
「もう、帰るよ」
「乗物がないぜ」
「夏はどこででも野宿ができるものさ」
「記代子も変な子だね。