轻松读懂日语经典作品
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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
ですが、兄さんのお墓にいくらかでも近いところへ、埋めていただきたいのです。埋めていただくだけで結構です。お墓も葬式も欲しいと思いません。慾を云わせていただけば、よく晴れた日に私が背のびすると兄さんのお墓が見えるぐらいのところまで近づかせて下さいませ。怒らないで下さい。この希いをききとどけていただけたら、どんなにうれしいでしょうか。なぜって、私、これからお薬をのんで死ぬまでの短い時間、よく晴れた日に背のびして兄さんのお墓を見ていることを目に描きながら死にたいのですもの。おねがいです。
先生の御多幸をいのります。
四
青木はルミ子の遺書を読み終えて、長平に返した。
「可憐だよ」
彼はつぶやいた。しかし、すぐ苦笑して、
「あなた、これを読んで、とる物もとりあえず、上京したのかねえ。長平さんともあろう水ムシがさ。水ムシは、時に、妙なことで慌てるのかねえ。人間はたかが白骨ではないですか。なにも、こんなバカなことを云いたくはないが、相手が長さんじゃア、小人はケツをまくりたくなるんだねえ。長さんや。ぼくら小人にとっては、人間はなかなかもって白骨じゃアありませんや。