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つのぶえふくこ
角笛吹く子
小川 未明
「童話」1921(大正10)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,485 字 · 7 页
あちらの森では、からすがやかましくないていました。
「ほんとうに、やかましくからすがないている。あれは、きっと里のからすだ。私たちをみつけて、鳴いているのだ。山がらすならあんなになきはしない。」と、おばあさんはいいました。
「おばあさん、からすが怖いよ。」と、子供は泣きだしそうな声でいいました。
「ばかな子だ。そんな弱いことでどうする。からすがきたら、私がつえでなぐってやる。」と、おばあさんは答えました。
子供は、からすのないている森の方を振り向きながら、おばあさんに連れられてゆきました。
村にさしかかると、まだ田にも圃にも、雪がところどころ残っていました。町よりは雪が多かったのです。そして、村の子供らが、雪の消えた乾いた往来で、こまをまわしたり、鬼ごっこをしたりして遊んでいました。
その子供らの声を聞きつけると、子供は、怖ろしがって足がすくんでしまった。
「おばあさん、みんながいじめるから怖いよ。」といって、子供は、前へ歩こうとはしませんでした。
おばあさんは、当惑そうに子供の手を引きながら、
「先がなんというても、おまえは黙っていればいい。もし、あの子供らが口でいうばかりでなく、おまえをなぐるようなことをしたら、私が、このつえでそいつをなぐってやる。