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つのぶえふくこ
角笛吹く子
小川 未明
「童話」1921(大正10)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,485 字 · 7 页
町の四つ角に立って、一人の男の子がうろうろしていました。子供ははだしで、足の指を赤くしていましたけれど、それを苦にも感じないようでありました。短い黒い着物をきて、延びた頭髪は、はりねずみのように光っていました。
子供は、このあたりのものではないことはよくわかっています。前には、こんな子供がこの付近で遊んでいたのを、だれも、見たものがないのでありましょう。きっとどこかからやってきて、帰る途を迷ったにちがいありません。けれど、なかなかきかぬ気の子供は、それがために、けっして泣き出すようなことがなかったのです。
町には、もう雪がたいてい消えかかっていましたけれど、なおところどころに残っているのが見えました。子供は、車がいったり、きたりしますのを目を円くして、おびえながらながめていましたが、あまり自分に注意をする人もありませんので、やっと安心したように、いくらかおちついたらしいようすでありました。ちょうど山がらすが里に出てくると、里に棲んでいる、たくさんのからすに、たかっていじめられるように、子供には、町を通る人間が怖ろしかったのです。
だれも、自分に気を止めるものがないと知ると、子供は、そのそばにあった時計屋の店さきにゆきました。