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つのぶえふくこ
角笛吹く子
小川 未明
「童話」1921(大正10)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,485 字 · 7 页
けれど、だんだんと進むに従って、雪は多くなったのであります。
おばあさんと子供は、路の片端によって、百姓と羊を通してやりました。
二頭の羊は、仲よく並んで前を過ぎました。後から百姓がゆきました。
「これから先は、だんだん雪が深くなるばかりだ。」と、百姓は通り過ぎるときに、二人に向かって知らせました。
二人は、また、その路を北へ、北へと歩いてゆきました。やがて、路は、広い野原の雪の中につづいていました。広い、広い、野原はまったく白い雪におおわれています。子供はその雪の中を、元気よくおばあさんの先に立って、はだしで進みました。
北の地平線は、灰色に眠っていました。まだ、そこには春はきていなかった。
「おばあさん、もう家が近くなった。」と、子供はいいました。
「ああ、もうここまでくればだいじょうぶだ。」と、おばあさんも答えました。
このとき、子供は、懐の中から角笛を取り出しました。そして、北の野原に向かって、プ、プー、プ、プー、と吹き鳴らしたのです。すると、たちまち、無数のおおかみが、どこからか群れをなして、雪をけたって駆けてきました。子供は、その中の一頭に早くも飛び乗りました。