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かいしゃくがくとしゅうじがく

解釈学と修辞学

三木 清

「哲学及び宗教と其歴史(波多野精一先生献呈論文集)」岩波書店、1938(昭和13)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,866 字 · 24 页

青空文庫

修辞学は端的に表現に関係している。我々は表現するために修辞学を用いるのである。修辞学は表現の理解に関係するのでなく、かえって表現の作用に関係している。そこに元来ともにロゴス(言葉)に関係するものでありながら解釈学と修辞学との性格的な相違が認められる。次に修辞学は表現作用の立場に立つものとして表現の技術性について知らせる。修辞学は何よりも技術である。それは表現的であるためには技術的でなければならぬということを我々に教える。表現的なものは技術的であるということは、修辞学にとっていわば公理である。そしてそれは実に表現の本質に関わる重要な認識でなければならぬ。単に表現的な言葉のみではない、あらゆる表現的なものは技術的に形成されたものである。自然のごときも表現的なものとして技術的である。かの自然美の問題のごときも、自然の技術性を基礎とすることによって考えられ、かつこれと芸術美との統一も考えられることができるであろう。しかし修辞学はもとより単に美を目的とするものではない。修辞学はギリシアにおいて単に言葉の装飾や美化のためのものであったのでなく、むしろ社会的実践的な目的を有したのである。