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はなしのたね
話の種
寺田 寅彦
「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月~1908(明治41)年10月(不定期88回連載)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,082 字 · 64 页
(明治四十一年一月一日『東京朝日新聞』)
五十九
結核病と食物
結核菌を接種した動物に種々の食物を与えて病の経過を試験した結果によると、脂肪分を主に与えたものは四十日くらいで死し、含水炭素殊に砂糖を多く与えたものは八十七日くらいで死んだ。これに反して含窒素食物を主に食わせた動物は三百七十一日生きていたそうである。
(明治四十一年一月二十五日『東京朝日新聞』)
六十
灯台の光色
海上で遠い灯台を見出した時その光の色が赤だか青だか分りにくい事がある。その時は双眼鏡か何かで見て肉眼で見たのと比較し、もし肉眼で見る方がよく見えればその灯色は赤光で、そうでなければ青か白だという。
屍体とX光線
生きている人体の腹部をX光線で照らし写真を撮っても胃や腸を識別する事が出来ぬが、死後間もなく写して見ると明らかにこれらの臓腑の所在がわかる。そして死後時間が経つに従っていよいよ明白になる。生きているうちは内臓が絶えず動いているから写らぬのだろうという説になっているらしい。
(明治四十一年一月二十六日『東京朝日新聞』