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なぞのくびかざりじけん
謎の頸飾事件
山本 周五郎
「少年少女譚海」1931(昭和6)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,265 字 · 15 页
龍介の番だ
龍介の番だ
「樫田さん、事件は解決しましたか?」
いままで、樫田刑事の訊問などは見向きもせずに、化粧室の中をくわしく綿密にしらべていた春田龍介君が、にこにこ笑いながら進み出てきた。
「解決しとるよ。女中が何者かに襲われた、そばに女中を殴った棍棒が落ちていた、そして部屋の外に紳士が立っていた、棍棒には指紋があった、その指紋が紳士の指紋であった、女中は自分を殴ったのは夜会服をきた紳士だといった。でその紳士は夜会服を着ている……こんな簡単明白な事件は子供にだって片がつくさ!」
「そうですか」
龍介少年は相変らず笑いながら、
「しかし、こういう疑をお持ちになりませんか樫田さん。小間使が入ってきた時には、電灯が消えていた。それなのにどうして、扉の蔭から跳び出した男が夜会服をきていたとわかったのでしょう。それからまた犯人がどうして自分の指紋のついている棍棒を、犯罪の場所へ放りだしておいたのでしょう。そして自分が逃げる間さえなかったのに、どうしてダイヤを隠すことができたでしょう……※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
龍介君の静かなしっかりした意見を聞いていた刑事は、その立派な言葉にたじたじとなったが、まだ龍介君の本当の偉さがわかっていないので、