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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

それよりも、春夫をおどろかせたものがありました。それは、そのあたりの風景でありました。

「こんな島があるだろうか?」

青木は口蓋のすきまからここをのぞいて、これは島だといいました。なるほど、下は砂地です。そして椰子のような植物が生えております。小さいけれども、岩のようなものも見えます。海中から、いきなりこんなところにつれてこられたなら、なるほど、だれだってここは島だとおもうにちがいありません。

しかし島にしては、ちとおかしいことがあります。それは、水平線も見えなければ、あの青い海も見えないことです。頭の上を見ますと、すりガラスの天井があります。

これを島だというのは、どうでしょうか。一体ここはどうした場所なんでしょう。

「こら、少年。なぜ、じっとしていない。きょろきょろすることは許さん」

下士官のぺらぺらいう英語がわからないので、なおもきょろきょろしていたものですから、水兵がこわい顔をして、つかつかとそばへよってきました。

青木は、それと気がついて、春夫に注意をあたえ、彼を水兵からかばいました。

隊長らしい紳士

これからどうなることかと、春夫少年が思っていると、下士官たちに命じて、二人の前後をまもらせ、前へ進めと、あるかせました。