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まめせんすいていのゆくえ
豆潜水艇の行方
海野 十三
「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页
それから、十日ほどすぎました。そこで話は、造船所のすみにころがっている豆潜水艇のことになります。
この潜水艇は、すっかり出来あがっていました。艇内には、すでに食べものや、水や、ハンモックなどもつみこまれ、いつでも出かけられるようになっていました。ただ、この豆潜水艇は、まだ台のうえにのっています。艇の下をささえているくさびをはずせば、この潜水艇は、台の上をよこすべりして、ぼちゃんと海へおちて、うかぶようになっていました。つまり、あとは進水式だけがのこっていたのです。
進水式のことを、青木学士も春夫少年も、どんなにか、待ちこがれていました。豆潜水艇は、進水をすませると、そのまま港を出かけることになっていました。もちろん、乗組員というのは、艇長の青木学士と、それから副艇長の春夫少年の二人きりでありました。
それは、いよいよ明日が、待ちに待った進水式だという、その前日の夜のことでありました。青木学士と春夫少年は、潜水艇の中にはいって、しきりに艇内をとりかたづけていました。
そのとき、このまっくらな造船所へどこからやってきたのかくろい服をきた、十四五人のからだの大きい人が、しのびこんでまいりました。