轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

07 おくめ殺し

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,548 字 · 47 页

青空文庫

八

――そんなこともねえだろうが、もし長屋のことでいざござが起こったら、仏壇の位牌のうしろをみてくれ、そこにあのとき書いた物があるから。

多助はそう聞いたが、そのまま忘れていた。そこへこんどの騒ぎで、「おくめ殺し」ということが頭にうかび、それがどんな事だったかを考えているうちに、昨日ようやく思いだした、ということであった。

八

「それが、あったのか」と登が訊いた。

「ありました」と云って、角三は枕の下から平たく巻いた書き物を出して、「じいさんの云うとおり、位牌のうしろにこれが隠してありました」

「理由が書いてあるんだな」

「詳しく書いて、総代五人の拇印が押してあります、いや待って下さい」角三はその書き物を長次に渡しながら云った、「これに書いてあることはあとで話します、いま云うとまずいことになるかもしれないんで、というのは、これからあっしたちのする事を、貴方はたぶんとめようとなさるだろうと思うんです」

登は角三の顔を見まもった、「それならどうして、私をここへ呼んだんだ」

「証人になってもらいたいんです」

「なんの証人だ」

「そいつはあとでわかりまさあ」と与平が云った、「相手さえ来りゃあすぐに始めるし、もうそろそろ来るじぶんなんだから」