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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

だが自然科学に於てもテーマの選択一つにも、理論の組み立て一つにも、科学的成果の解釈一つにも、又理論の発達条件にも、凡てイデオロギーが口を利いているのである。自然科学の歴史的発達の促進阻害に就いてだけは階級性が見出されるが、自然科学の理論内容(即ち論理)には階級性を見出し得ないという考えは、自然科学がその理論内容と独立に発達し得ると考えるナンセンスに帰着する。自然科学の歴史的発達にもし階級性があるなら、この発達を必然ならしめた自然科学の内部的論理機構そのものに階級性がなくてはならぬ。もしそうでなければ、自然科学は全く偶然的に外部的な原因によって歴史的変化を遂げるものだということにならざるを得ないからである。

尤も自然科学は社会科学や哲学に較べて、その階級性乃至党派性が或る意味に於て原則的に稀薄であることは認めなくてはならぬ。それは自然そのものと之を科学的に認識する人間活動そのものとの間に比較的間隙があるからに過ぎない。だが自然科学と云っても、之を社会の技術的基礎や社会機構全体、又他領域の文化乃至イデオロギーから切り離して取り扱うことは許されなかった。